WindowsMobile 5.0 for PocketPC (WindowsCE/PocketPC2005) IME キー設定変更ツール imekeyset5 v1.21 WindowsMobile 5.0 日本語版の IME のキー入力定義を変更するツールです。PC の Windows や HandheldPC では、IME の設定画面から「ATOK/MS-IME/ユーザー定義」 等の切り替えができました。WindowsMobile 5.0 for PocketPC の IME にはこの設定 画面がないので作成しました。 例えば W-ZERO3[es] の場合 MS-IME に切り替えるとテンキー入力時にカーソルキー で漢字変換ができません。このツールで Phone Style を追加すると、MS-IME 選択時 でもカーソルキーによる漢字変換ができるようになります。 また USB 等による外部キーボード接続時にも、自分の好みにあった操作に変更する ことが可能です。 Custom 用のサンプル設定ファイルが付属しています。 ●動作環境と互換性について ・imekeyset5 は WindowsMobile 5.0 専用です。 ・WindowsMobile 2003(PocketPC2003) や PocketPC 2002 等では動作しませんので ご注意下さい。これらの機種では「imekeyset v1.00」を使用してください。 ・搭載 IME のバージョンが異なるため imekeyset と imekeyset5 のキー定義ファイ ルには互換性がありません。相互にデータ転送できないのでご注意下さい。 ●動作確認機種 ・W-ZERO3[es] WS0007SH (WindowsMobile 5.0) ●注意点 このプログラムはレジストリ内容を操作します。IME 用レジストリエントリに矛盾が 生じた場合、起動時に IME がハングアップしてシステムが正常に立ち上がらなくな る可能性があります。 操作は十分に注意した上で、かつ事前にバックアップを取るなどの予防をお勧め します。これらのリスクに納得し、かつ自己責任でお使いいただける場合のみこの ツールを使用してください。システムに不具合等生じても作者は責任は取れません ので予めご了承ください。 ●使用条件 このソフトウエアが原因で問題や障害が生じても、作者は一切保証を行わず、作者に 責任も無いものとします。重要なデータはあらかじめバックアップを取り、利用者の 自己責任において使用してください。内容物を改変したものを無断で配布することを 禁止します。利用に当たっては、使い方(説明書)をよく読んでからお使いください。 フリーソフトウエアです。 ●インストール方法 imekeyset5.ARMWM5.CAB アーカイブ内の CAB ファイルを WindowsMobile 5.0 デバイスの適当なフォルダに 転送し、ファイルエクスプローラから実行してください。 インストール先は本体メモリでもカードメモリでもどちらでも構いません。 ●アンインストール方法 「設定」の「プログラムの追加と削除」から「HYP imekeyset5」を削除して下さい。 このプログラムは常駐する必要がありません。設定が完了して不要になったら アンインストールしても大丈夫です。元に戻すときにはまたインストールして ください。 ●使い方 (1) 現在登録されている入力定義 (Style) を左上の「Style選択」ボックスで選択し ます。 WindowsMobile 5.0 の IME には最初から MSIME_PPC / ATOK / MS-IME2000 の 3つの定義が登録されています。 (2) 右側の「標準にする」ボタンを押すことで設定が切り替わります。 注意: これらの IME 用レジストリ内容の変更は、リセット後に有効になります。 ●ボタンの説明 [ Style 選択 ] 現在選択可能な Style を選びます。Custom や Phone も 追加するとこのリストに現れます。 [ 標準にする ] 選択した Style を標準設定します。ソフトリセット後から 選択したキー配置になります。 [ Custom にコピー ] 選択した Style を複製して Custom という Style を新た に作成します。 [ Custom を削除 ] Custom Style を削除します。 [ Custom を出力 ] Custom Style をテキストファイルに書き出します。 [ Custom に読込 ] テキストファイルの内容を Custom Style に読み込みます。 [ Phone Style追加] W-ZERO3[es] 用にカーソルキーだけで変換できる Phone Style を追加します。 [ Phone Style削除] Phone Style を削除します。 ●W-ZERO3[es] 向けカーソルキー変換を設定 (Phone Style) W-ZERO3[es] では ATOK を off にして MSIME に切り替えると、変換キーが無いため にテンキーだけで漢字変換できなくなってしまいます。Phone Style を追加する ことでカーソルキーによる変換が可能になります。 Phone Style を標準にするとキー操作が次のように変わります。 ↓ 変換,次候補 ←→ 文節伸縮 Enter 文節確定 注意: 当然ですが設定を変えると縦画面だけでなく横画面時(フルキーボード操作時) の操作も変わります。ご注意下さい。 (1) [ Phone Style 追加 」を押して追加する。(すでに存在する場合は先に削除 しておく) (2) 「Style 選択」で Phone を選択する。 (3) [ 標準にする ] を実行する。 (4) ソフトリセット なおこの Phone Style は、MSIME_PPC をコピーしたのちサンプルとして付属して いる keyset_z3escur.txt を読み込んでいます。 ●詳細なキー操作の定義について Style に「Custom」というエントリを追加することで、細かいキー操作を独自に 定義できるようになります。 (1) 任意の Style をコピーして Custom エントリを作ります。 [Style選択] → [Custom にコピー] (2) 作成した Custom エントリは、キー定義情報だけテキストファイルに書き出した り読み込んだりできます。 この Custom を標準に設定することで独自のキー定義が有効になります。 書き出したキー定義ファイルは IME のレジストリ内容そのままです。詳細な意味 (機能番号) についてはキーとの対応を見て調べる必要があります。 書き出したキーファイルは編集できますが、同じキーに複数の機能が割り当てられ ているなど、定義内容に矛盾が発生しないよう十分注意してください。矛盾が発生 した場合起動時に問題を起こす可能性があります。 書き出したファイルは # で始まる行はコメントとみなされます。 ●サンプル設定ファイルについて Custom エントリ用のキー設定ファイルが imekeyset5 のインストールフォルダに 含まれています。参考にしてください。 (サンプルを実際に読み込むには一旦 \My Documents にコピーする必要があります) ・keyset_z3escur.txt W-ZERO3[es] テンキー向け、カーソルキー変換対応 ↓ 変換,次候補 ←→ 文節伸縮 Enter 文節確定 ・keyset_wm5egg.txt 作者のキー設定 (Egg風) ホームポジションから IME On/Off や変換操作できるようにする。 USB 外付けキーボード用です。 CTRL+F/B カーソル移動,文節移動 CTRL+N/P 次候補前候補 CTRL+I/O 文節伸縮 変換 IME ON/OFF 切り替え ・keyset_wm5egg2.txt 作者のキー設定2 外付けキーボード向けのキーカスタマイズ+テンキー変換を融合した ものです。 外付けキーボード操作時でも [Enter] キーによる確定が文節確定になって しまうのが欠点です。 [Enter] の代わりに [Ctrl]+[M] を使うことで全確定できます。 ●キー定義コマンドの解説 この表は独自に解析したものです。間違いが含まれてる可能性もあるので注意して ください。 16進数2桁(8bit/1byte) で機能コードの指定を行います。 1つのキーに対して 6 つの各モード毎に機能を定義できます。 PC の IME (Microsoft IME Standard 2002) のプロパティ [全般]→[設定]→[キー設定] の並びと同じです。 モードは左から順に以下の通り ・入力/変換済み文字なし ・入力文字のみ ・変換済み ・候補一覧中 ・文節長変更中 ・変換済み文節内入力文字 0x80/0x40 はおそらくフラグbit 80 割り当てなし 40 割り当てなし 00 割り当てなし CF IMEoff CD IMEon/off 46 全変換 06 全変換 07 文節変換 09 全確定 0A 文節確定 0B 先頭確定 0E 全戻し 0F 文節戻し? 11 文字左 12 文字右 13 文字先頭 14 文字最後 15 前文字削除(BS) 16 1文字削除(DEL) 17 文節左 18 文節右 19 文節先頭 1A 文節最後 1B 次候補 1C 前変換 1D 次候補群 1E 前候補群 1F 文節戻し 20 文節長-1 21 文節長+1 24 ひらがな 25 カタカナ 26 全角英数 27 半角 28 かな変換 29 英数 2F 半角英数 30 変換+次 35 全消去 38 候補先頭 39 候補最後 3E 最後候補 4C 1文字確定 4D 全消去 54 文字末尾 7D 先頭候補 94 入力方式 C9 カタカナキー CA ひらがなキー A4 かな英数 81 SPACE? 82 全角SPACE 83 半角SPACE 89 候補メニュー? F5 メニュー? F7 読み候補? ●レジストリとプログラムの動作の解説 ○以前の機種について HandheldPC 2000 (WindowsCE3.0) PocketPC 2002 (WindowsCE3.0) PocketPC 2003 (WindowsCE4.2) これらの OS ではどれも同じ IME98 が使われていました。レジストリと対応する設 定は以下の通りです。 ・現在選択されているキー定義の種類(Style) \HKEY_CURRENT_USER\ Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Ime\Japan\IME98\MSIME\style ・キー定義一覧 \HKEY_CURRENT_USER\ Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Ime\Japan\IME98\StyleList ○WindowsMobile 5.0 (WindowsCE5.0) IME200? ベース(?) の IME3.1 に改良されているようです。 ・現在選択されているキー定義の種類(Style) \HKEY_CURRENT_USER\ Software\Microsoft\IMEJP\3.1\MSIME\keystyle ・キー定義一覧 \HKEY_CURRENT_USER\ Software\Microsoft\IMEJP\3.1\StyleList PocketPC2003 以前の IME98 の場合、レジストリのキー定義は unicode で格納され ており REG_MULTI_SZ でしたが、WindowsMobile 5.0 では ShiftJIS で格納されてい ます。そのためレジストリの type は REG_BINARY になっています。 このプログラムは上記2箇所の参照や変更を行っています。要するに imekeyset5 は レジストリを変更するためのユーザーインターフェースであって、直接レジストリを 書き換えても全く同じことができます。 また、アンインストールしても設定した結果は IME のレジストリに残るので、設定 後不要になったらプログラムをただちに削除していただいて構いません。 設定を元に戻すには Style の選択で「MSIME_PPC」を選んで [標準にする] を実行し てください。その後ソフトリセットしたあとに Custom と Phone エントリを削除 すれば OK です。(直接レジストリ操作しても同じです) 2006/08/03 v1.10 2006/08/04 v1.20 Phone Style を簡単に追加できるようにした 2006/08/12 v1.21 Phone Style の↑設定が間違っていたので修正 小笠原博之 oga@art.udn.ne.jp http://www.vector.co.jp/authors/VA004474/