zxLinux バイナリキット zxLinux bkit012 2001/02/03 小笠原博之 zxLinux は MI Zaurus 上で動く Linux です。このバイナリキットを使用すると簡単 に zxLinux の動作する環境を構築することができます。本家のバイナリキットに比 べて次の特徴があります。 ・MI-E1 / igeti MI-P10 でも動作します。(対応機種 MI-E1/C1/P10/EX1/TR1) ・日本語表示が可能、カーソル表示、ターミナルエミュレーション等、コンソール機 能を拡張しています。 ・縦画面対応。 ・zaufs を新規追加しました。zxLinux から ZaurusOS のファイルに直接アクセスで きます。 現段階の zxLinux は開発者向けのリリースです。 ●マニュアルについて bkit012.txt このマニュアル command.txt 付属の外部コマンドマニュアル terminal.txt 拡張キー操作やエスケープシーケンスについて device.txt 拡張デバイスドライバの説明 history.txt 変更点一覧 ● zxLinux とは zxLinux は、MI Zaurus 上で動く Linux です。Linux はもともと PC 上で開発され た OS であり、Zaurus への移植はアックス( http://www.axe-inc.co.jp/ ) が行い ました。zxLinux についての公式の情報が以下の URL にあります。 http://www.zxlinux.org/ http://www.zxlinux.com/ ●動作機種 次の機種で動作します。 ・MI-E1 ・ICRUISE MI-EX1/TR1 ・PowerZaurus MI-C1 ・igeti MI-P10 zxLinux を動かすには、この他にコンパクトフラッシュカードが必要です。コンパク トフラッシュの空き容量は 8Mbyte 以上必要です。 ●注意事項 ・使用前に必ず本体メモリとカードメモリのバックアップを取っておいてください。 ・このバイナリキットが原因で問題や障害が生じても、一切保証は行いません。必ず 利用者の自己責任において使用するようにしてください。 ・配布条件、使用条件は、オリジナル http://www.zxlinux.org/ に従います。 ●インストール方法 アーカイブを展開すると以下の3つのファイルが作られます。この3つを Zaurus の カードメモリに転送して下さい。 ZLNXBOOT.ZAC ブートローダー ZLNXKNL.BIN zxLinuxカーネル ZLNXIMG.DAT ファイルシステムイメージ 転送後、MORE ソフト管理画面から ZLNXBOOT.ZAC を展開してください。本体メモリ では動作しません。必ずカードが必要です。 ●アンインストール方法 MOREソフト管理画面で「zxLinux」を削除してください。 ●起動の仕方 MOREソフトインデックスから「zxLinux」のアイコンをタッチして下さい。カーネル がブートしコマンドシェルが立ち上がります。 QVGA 機種では chscreen コマンドで画面モードを切り替えることができます。文字が 小さくて読みにくい場合、必要に応じて使い分けてください。 ●終了方法 zxLinux を終了させるには [戻る] ボタンを押してください。実際は、インデックス メニューへの切り替えでも終了します。 ●トラブル対策 正常に終了しなかった場合、バックグラウンドにいくつかのタスクが残ることがあり ます。これが繰り返されることで実行用メモリを徐々に失い、他の機能に切り替えた ときに表示が崩れることがあります。(特に情報ファイル画面で起こりやすい) もしこのような症状が発生した場合は、一度 Zaurus 本体の電源を切ってから入れ直 してください。通常はこれだけで直ります。 それでもおかしいときは、電池蓋のロックスイッチを一度解除にし、再びまたロック に切り替えてください。これで簡易リセットがかかります。 ● ディレクトリ構成 /bin 空です /sbin コマンドが入っています。パスが通っているのはここだけ。 /etc 起動時に表示されるmotdが入っています。 /dev デバイス /doc マニュアルが入っています。 /proc カーネルやデバイスの各種状態 /mnt/f0 Zaurus側の F0: /mnt/f1 Zaurus側の F1: /mnt/ata Zaurus側の F1:\ ● zaufs について zxLinux から直接 ZaurusOS のファイルシステムをマウント可能な zaufs が追加さ れました。まだバグが残っている可能性がかなりあります。ファイルシステムがその まま見えるので、間違って重要なファイルを破壊してしまわないよう注意して下さい。 ファイルシステムの確認は /proc を使って行います。 カーネルにビルドされているファイルシステム一覧表示 $> cat /proc/filesystems 現在のマウント状況表示 $> cat /proc/mounts zxLinux からは、ファイル名はすべて小文字で見えます。ZaurusOS 上は大文字にな ります。また ZaurusOS の制限が生じます。 ・サブディレクトリを作れない。 ・ファイル名長やファイル名使用可能文字種に制限がある。 ● BG画像について ICRUISE MI-EX1/TR1 において、ソフトキーボードを表示したままコンソールを 80x24 文字表示するために、文字サイズを 12dot に変更しました。その分画面に空 きができたので、BG 画像を配置できるようにしました。 以下の方法で画像ファイルを作っておくと、ブート時に背景として読み込みます。 (1) bitmap の作成 640x480dot フルカラーフォーマットで画像を作成します。実際に表示され るのは上側 640x304dot 部分のみです。コンソール領域は 640x304dot の中 央に位置する 480x288dot 分です。左が 80、上が 8dot 空くことになります。 (2) zit への変換 czit を使って bmp を zit に変換します。zit のファイル名は ZLNXBG00.ZIT にします。czit.exe は GA 3D Engine 用のツールとして公開しています。 http://www.vector.co.jp/authors/VA004474/zaurus/ga3d.html czit -q565 -l -oZLNXBG00.ZIT bgmap.bmp (3) ZLNXBG00.ZIT の転送 (2) で変換して作成した ZLNXBG00.ZIT を、zxLinux 同様カードに転送して おきます。 ウィンドウ風の画像をうまく作って背景に配置すると面白いかもしれません。残念な がら BG 表示は MI-EX1/TR1 のみです。MI-C1 や P10 では従来と同じ全画面で、BG 画像は表示されません。 ●その他の操作 キー操作の詳細については terminal.txt も参照してください。 [戻る]ボタン zxLinux の終了 [中断]キー Ctrl-C の送信 [順送り]/[逆送り] ソフトウエアキーボードのON/OFF ● zxsh コマンドシェル zxLinux に最初からついてくるコマンドシェルです。一般的な UNIX のシェルとは異 なり、最低限の機能しか持っていません。 ・組み込みコマンド cd カレントディレクトリを変更します。 の省略はで きません。 ・外部コマンド 外部コマンドの検索パスは /sbin のみです。それ以外の場所にあるコマン ドを実行する場合は、フルパスもしくは相対パスによる明示的な場所の指定 を行わなければなりません。コマンドが見つからない場合でも、シェルはエ ラーを表示しませんので注意してください。 コマンド行の区切りとして「&」を使うことができます。この場合シェルは 外部コマンドの終了を待ちません。 <例> $ ls -l & ls -l ●最後に 現在はまだソースコードの解析段階であり、その動作や挙動を追いかけつつ気がつい たところを直しています。アプリケーションが載るようになるまではまだまだかかり そうです。 2000/09/29 bkit008 2000/10/05 bkit009 2000/10/10 bkit010 2001/02/03 bkit012 小笠原博之 oga@art.udn.ne.jp http://www.vector.co.jp/authors/VA004474/zaurus/zaurus.html